
犬に多い遺伝的疾患のひとつです。
股関節の骨の成長が十分でなく、丸くなっているはずの大腿骨の先が扁平になっていたり、受け皿である骨盤のくぼみが浅かったりと骨と骨がうまくかみ合わない状態を言います。
遺伝的な要因もありますが、子犬の時の肥満も原因のひとつ。発育期に肥満になることで、骨や筋肉のバランスが崩れ、骨の組織が正常に発達できなくなるのが原因です。
特に、生後60日の間に、骨や筋肉に加わる力が発病に関係します。成長の早い大型犬が発病しやすいのもこのような理由からです。
【症状】
片方の関節だけに起こる場合もありますが、両方の関節に起こるほうが一般的です。
生後6カ月くらいから、症状が現れてきます。腰を揺らしながら歩いたり、走る時に両足を揃えて走ったりします。
歩き方がいつもの様子と違う、他の犬と違うと感じたら、よく観察するようにしてください。病院では、X線検査を始めとして触診などの診察をします。触って痛がる場合は、軽く麻酔をかけて、X線検査をします。
【治療】
治療は、状態により変わりますが、軽度の場合は、運動を制限し、体重を落とすようにします。進行が進んだ場合は、運動と体重を制限をして、鎮痛剤や抗炎症剤などを使って、薬物療法を行います。
さらに進むと内科的治療で効果がみられなかった場合は、手術を行います。
重症な場合は、大腿骨骨頭を切り取って、関節を整復する手術をします。人工関節に取り替える手術も非常に効果的ですが、人工関節が高価なこともあり、欧米に比べ日本では普及が遅れています。
【予防】
股関節形成不全の発症原因の多くが遺伝的要因です。子犬を飼う場合は両親が股関節形成不全でないかチェックするようにしましょう。
また、仔犬の時の肥満は、発症に原因になるので、食餌量をチェックして与えるようにしましょう。