取材・文/児玉伸子 撮影/前田光代
 角田信朗さんの秘蔵っ子は、アプリコットトイ・プードルのプッチーちゃん。くるくるした毛が何ともかわいい、1歳3か月の女の子です。 プッチーちゃんとの出会いは、昨年4月。大阪のテレビ番組に出演したときでした。

●生放送中に熱愛宣言!?



大きな角田さんと小さなプッチーちゃん。「このギャップがいいでしょっ!」

「番組内で、子犬の特集をしていたんです。何十種類もの犬が出てきたんですけれど、この子を抱っこしたらボクの目を見て離さないんです。これは“連れて行って”と言っていると、勝手に解釈しまして(笑)。獣医さんに伺ったら、トイ・プードルは他の犬種よりトリミングをマメにする必要があるけれど、毛が抜けにくいし、あまり臭いがしないので、室内犬に最適とのこと。これはもう、願ったり叶ったりですよね」。

 そして何より、このかわいらしさにマイッてしまった角田さん。生放送中に「この犬を飼います」と宣言したのです。

 角田さんは犬を飼いたいと思っていたものの、それまでは住宅事情の問題で実行することができませんでした。しかし一戸建てに引っ越したので、やっと犬を飼えるようになったのです。

「だけど、まだ大きな問題があったんです」
 それは奥様。子どもの頃、犬にかまれた経験があり、以来、犬は苦手だったのです。 そこで角田さんは、一計を案じました。いきなりプッチーちゃんを連れて帰り、インターフォンで“実は外で子どもを作ってしまった”と言ったのです。

 奥様は“どういうこと!”と家から出て来たので、そこで対面させたわけです。
「当時プッチーは、今の半分くらいの大きさしかありませんでした。そんなかわいくて小さい子を抱っこしたら、カミさんもNOと言わないだろうな、と思って。もちろん作戦は大成功でした」


「プッチー」という名前は、お嬢さんが、大切にしていた犬のおもちゃ「プーチー」と「小さい(プチ)」から命名されたとか


「なっ、プッチー! 体重を計ってみようか? 3キロくらい? 女の子に体重の話はマズイかな?」

 今では奥様も、プッチーちゃんを我が子のように可愛がっています。2人のお子さんとも大の仲良しです。
「でもね、カミさんに聞くと、やはりボクへの態度は特別らしい。ボクの前では仰向けになっておなかを見せて甘えるけれど、他の人にはしないらしい。この子は賢いから、誰がこの家の長かわかっているのですね」
 少し自慢げに、そしてうれしそうに話す角田さん。まさにメロメロ状態です。

 プッチーちゃんは大病をしたことがないものの、ひざの関節が弱いのがウイークポイント。走ったときにひねって、脱臼したこともありました。少し肝臓が弱いのも、気になるところです。
「膝と肝臓が丈夫でないのは、ボクと同じ。何故そんなところまで似るのでしょうね」


●これで留守番も淋しくない

 プッチーちゃんが家に来る前、角田さんのお嬢さんは、プーチーという犬のおもちゃを大切にしていました。
「そのおもちゃの名前と“小さい(プチ)”から、プッチーと名づけました。でも普段、家族は“プー”とか“プー吉”って呼んでいます。女の子なのにね(笑)」

 
 性格はおてんばで好奇心旺盛。このルックスに加え、人見知りしないので、誰からも可愛がられます。

「ボクにとって、大切なガールフレンド。家のシアタールームで、よくふたりで一緒に映画を見ます。この子はボクの胸に顔を預けるんだよね。そんなとき、ホント、女の子とデートしているみたいです。人間の女性とデートすると、ややこしいことになるけれど、この子とだったら、問題ないでしょ(笑)」
 角田さんの厚い胸にもたれながら、プッチーちゃんはおとなしく映画を観ているとか。さすが、女の子です。


「プーちゃん、カメラ目線でお願いします」

 また多忙な角田さんは、どうしても家族と過ごす時間が少なくなってしまいます。みんなが泊まりがけで出かけるときも、角田さんはお仕事の都合で、ひとりで留守番役になってしまう場合も少なくありません。

「そんなとき、ボクはひとりぽっち(笑)。だけどこの子がいるから、淋しい思いをしなくていいんだ。プッチーもきっと機嫌が悪いときもあるんでしょうけれど、抱っこすれおとなしくなってくれる。いつも気持ちをいやしてくれる、大切な存在です」


ブラッシングに使っているブラシ


 取材中も、さかんに角田さんに甘えるプッチーちゃん。ご主人が大好きでたまらないのが、よくわかります。

 しかしそんなプッチーちゃんも、時には反抗することがあるのです。それは角田さんがお酒を飲んで帰宅したとき
「ボクは、プーにからむ(笑)。“パパのこと、愛しているか?”って、プーの顔を、口の中に入れるんです」
 そう言って、実演してくれます。しかしプッチーちゃんは、相変わらずうれしそう。
「でも2回目をやろうとすると、嫌がりますよ。ホラッ、前脚を突っ張っているでしょ」

 

●かわいいけれど、ケジメも大切

 動物と暮らすことは、子どもたちにもいい影響があるようです。
「生き物を可愛がったり、面倒を見る大切さを自然に学ぶことができますからね」
 角田ファミリーでは、お子さんがプッチーちゃんをお散歩に連れていくことが多いようです。
「たまに2、3分で帰って来ちゃうこともあるんですけどね(笑)」、3分で帰って来ちゃうこともあ、・鵑任垢韻匹諭幣弌法ラ

 仕事で家に帰れないときは「プッチー、どうしている?」と、電話を入れるほど愛情を注いでいる角田さん。しかし、ケジメは大切にしています。


「普段、家族は『プー』とか『プー吉』って呼んでいます。女の子だけどね(笑)」

「確かにプッチーは家族の一員だけど、甘やかすことが愛情ではないと思います。たとえば我が家では、ボクたちより先に食事をさせたり、一緒に寝ることはありません。ダメなことは、きちんとダメと教えています。芸を仕込んだりはしないけれど、“待て”はできるんですよ。ごはんは“よし”と言うまで、絶対に食べない。基本的なことはしっかりしたいですね」

“かわいがる”と“甘やかす”をしっかり区別することは、ペットとの共同生活を、より快適にする秘訣。角田さんとプッチーちゃんは、それをきちんと実践しています。

 
角田信朗 かくだ のぶあき 正道会館空手師範
大阪府出身。空手家として活躍後、95年にK−1ファイターとしてデビュー。「光る天才」と呼ばれ、ファンを魅了し続けている。バラエティ番組や映画、ラジオ、CFなどにも多数出演。親しみやすいキャラクターで、幅広い年代層に人気。また、「角田信朗のボディ・トレーニング」を出版。
 
(2002.05.16)