犬のことを学びましょう

前回にそれぞれの犬が、どのように誕生したかをお話しました。今回は、犬という種の全般的な本能や特性、習慣をお話します。これをよく知ることが、しつけの成否の大きなポイントになります。

(「猫吉犬吉」2002.7月号)

 犬と人間の大きな違い
 犬も人間も哺乳動物という大きなくくりでは同じですが、動物としての種も族も違います。  犬と人間の歴史は数万年に及ぶとも言われ、長い時間共に生きてきました。とはいえ、犬は犬の本能や習性は何万年の時を越え、伝えられ、変わってはいません。
 犬には、犬族の仲間との付き合い方、社会の作り方、決め方があります。
 この本能を理解してしつけをしないと時間の浪費になってしまったり、人間と犬の関係も悪くなってしまいます。  まずは、しっかり、犬の習性や本能を理解することが大切です。
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 人間社会と犬社会の違い
 犬の社会は群れの社会、少数の群れをつくり暮らしています。そのトップにリーダーがいます。  人間社会の場合は、上下関係があったとしても公私やその場の状況で人間関係が上下逆転することもよくあります。
 犬の場合は、リーダーは固定され、常にしっかり縦一列の序列が決まっていて、犬と犬の間には、上下関係がしっかりできています。横並びの関係はありせん。
 犬は生まれたその時から、序列ができて暮らしています。母犬のおっぱいを飲む位 置、おしっこをする場所すべてです。
 しつけの時の失敗の多くがこの本能を知らずに、飼い主と犬の間に上下関係や主従を明確につくらないことにあります。  人間という別の動物の中に入っても犬は群れの本能を強く持っています。家族の中で自分が何番目なのかが、犬にとってとても大切なことです。  序列がはっきりしないほど、犬にとって不安定なことはないのです。
 「家の犬は息子と兄弟のように育ってきたんだよ」という話を聞きます。ちょっと聞くと、ほほえましい感じがしますが、犬にとっては、考え物です。たとえば、末っ子、弟、妹と思ってくれていたらいいのですが、人間よりも自分が上だと思うと、人間に噛み付いたりする恐れもでてきます。
 誤解して欲しくないこと。それは、犬は、リーダーの犬が、いばって楽に暮らしていて、一番下の序列の犬が、いじめられたりしているからといってかわいそうではないということです。  どうしても、人間社会に照らし合わせて考えてしまうのですが、これは間違い。
 犬の中では、自分の体力や持ち味に一番あったポジションにおさまりさえすれば、ストレスもないし、幸せに暮らしていけるのです。
 まずこのことを理解するようにしてください。
 犬が、オス同士やメス同士で、後ろから乗っていることがありますが、これも序列をはっきりさせる行為で、後ろから抱え込んでいる犬が、上位 です。人間にも同じようにした場合には、序列的に不安定といえます。
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 飼い主と犬との関係を明確にしましょう
 「犬が噛み付いてくる」「自分に吠えてくる」という場合は、犬が飼い主のあなたより上になっているという可能性があります。
 先ほどお話したように、犬は上下関係で行動するのが本能、特性です。
 つまり、こういった場合は、犬が飼い主さんのことを「下」と見ているという可能性があります。  家族の中で、犬がリーダーとしての役割を担うことになれば、犬にとっては想像を絶するストレスになります。家族という群れを守らなければいけないわけで、しかも人間という違う動物の群れのリーダー役を務めなくてはならないのですから、そのストレスは大変なものです。リ犬によっては、その重い責任のために体調を壊す犬もいるくらいです。
 犬を人間に従わせることが、かわいそうと思う人もいますが、犬の立場になってみれば、実は、人間との主従関係をしっかり教え、この従属関係を常に保ち続けることが、犬にとっても人間にとっても一番の幸せなのです。


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