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私が文章を書くとき、「ねこ」の表記にこだわる理由は文字の形にある。漢字の「猫」は陶器で作られた人形のようだし、カタカナの「ネコ」は張りボテだ。やはり、柔らかな姿態をあますことなく表現しているのは、ひらがなの「ねこ」なのだ。
突然こんな話を切り出したのは、今回の話の前振りであったりする。
体の柔らかいねこの見せる仕草はどれをとっても実に愛らしい。その中で私の一番のお気に入りはコロコロと転がる仕草である。
背中を掻くためや、匂いを付けるためだったり、なでてもらいたくてお腹を見せたりと理由はいろいろあるが、人前にやって来ていきなりコロコロと転がって見せられた日には、私はもうイチコロなのだ。
それもただ転がるだけでなく、頭を地面に付けて逆さまに見つめたり、手足をピンと一直線にして空を飛ぶポーズを決めたときなどにはちゃんと一時静止をする。
その上、コロコロの合間にも両手を使って招きのポーズをしたりと、なかなか芸が細かい。
一瞬一瞬の動きに目を凝らしていると、実にいい表情と姿が見える。コロコロはまさに魅惑のポーズであり、フィルムの消費量
(今ではデジカメだから関係ないが……)も格段に増えてしまうのだ。
ひとしきりコロコロして満足すると、今度はスリスリしにやってくる。転がってゴミだらけの背中をこすり付けられるのにはちょっと参るが、和ませてくれたごほうびに許してやろう。
このとき、私の顔は緩みっぱなしなのだそうだ。
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