「猫吉犬吉」2002.5月号掲載
いよいよあったかくなってきて、ノミやダニが活発に活動し始める季節がやってきました。愛犬や愛猫が病気にかかるだけでなく、人間に感染することにも。春から夏にかけて、ノミなし、ダニなしのすっきりさわやかペットライフを送るための対策を紹介します。
ノミ駆除グッズ

一度寄生したら、しっかりと住み着いてしまうノミ
 最近、うちのコ、ふと見るとよく、カッカッと首のあたりを掻いています。
 うん? ひょっとしてノミ?  一度寄生すると、しっかり住み着いてしまうノミやダニは、刺されて痒くて不快になるだけでなく、ノミが血を吸うときに、ノミの唾液が犬や猫の皮膚に入り、この唾液に含まれる「パプテン」というたんぱく質に対してアレルギー反応が起こる「ノミアレルギー性皮膚炎」という皮膚炎にかかってしまうこともあります。
 また、あまりにも、たくさんのノミに血を吸われると、貧血になり、体が衰弱した上に激しい痒みに襲われて集中力を失い精神状態が不安定になったりもします。
 さらに、犬や猫にノミが寄生すると、多くの場合、ノミが中間媒介となって感染する犬条虫病にもかかってしまいます。


痒いだけじゃない!ノミは寄生虫の運び屋なんだって!
 怖いのは、ノミそのものだけではありません。犬や猫の体にノミを発見したら、まず、「犬条虫」(瓜実条虫)という寄生虫が寄生している確立が大!
 この「犬条虫」は、犬や猫の小腸に寄生する寄生虫で、ノミは、この「犬条虫」の卵が大の好物。ちょっとややっこしいけれど、この「犬条虫」の卵を食べ成長したノミが、犬や猫が毛づくろいをしたりしている時に体の中に入ることで、結果的に、体内で「犬条虫」が成長してしまう、ということになるのです。
 ノミは、ノミだけでも厄介な寄生虫ですが、「犬条虫」の運び屋としても困った存在。徹底的に駆除することが必要なのです。



ノミが愛犬や愛猫にいるとこんな症状、こんな病気に
ノミアレルギー性皮膚炎
背中やお尻にかけて毛が抜ける。腰のまわりや尾のつけ根が脱毛することも。
犬条虫症
犬条虫(瓜実条虫)という寄生虫が原因。多くの犬条虫が寄生すると、食欲不振、軟便や下痢といった症状が現れる。

ダニにも要注意!ダニが引き起こす病気
バベシア症
マダニを媒介にし、バベシア原虫が原因で起こる。バベシア原虫が犬の赤血球に寄生し、赤血球を破壊するので重度の貧血になる。発熱や黄疸、尿が褐色になったりする。体表のマダニの駆除と同時に、体内のバベシア原虫を飲み薬で駆除する。
疥癬症
イヌセンコウヒゼンダニが皮膚に寄生して起きる。感染している犬の首輪やブラシなどから感染する。柔らかいひじや耳、おなかなどに発症しやすい。強烈に痒がり、掻いてできた傷口から細菌感染することも。
毛包虫症(ニキビダニ症、アカルス)
ニキビダニは、多少は寄生しているが、抵抗力のある健康な犬や猫には症状が現れない。抵抗力が低下すると症状が現れやすくなる。母犬からおっぱいを飲む時に感染するため、目や口のまわりなどが脱毛し始める。動物病院で治療を。抵抗力の弱い子犬や高齢犬は注意。
ツメダニ症
ツメダニが皮膚に寄生して炎症を起こす。皮膚が赤くなってかさぶたのようなぶ厚い層の下にツメダニが寄生する。毛の先端にツメダニが付着して白い粉がふいているように見えることもある。

愛犬や愛猫の体表、体内と同時に部屋の中も 徹底的に駆除!
 上の図でもわかるように、体についているノミをうまく駆除したとしても、家の中のノミを駆除しなければ、もとのもくあみ。部屋に住みついているノミの卵や幼虫、サナギが1〜2週間のうちに成長して成虫になり、また愛犬や愛猫に寄生することになるからです。
 犬条虫の感染予防としても、家の中にいるノミは徹底的に駆除することです。
POINT!
1)体表からノミを駆除する
2)体の中の寄生虫も同時に駆除する
3)家の中も徹底的に駆除する

こんな時にはノミがいる!ノミのチェックの仕方
1.新聞紙の上で、目の細かいクシで全身の毛をすく
2.新聞紙に落ちたゴミを、水で湿らせたティッシュペーパーの上に置くか、水をはった洗面器の水面に落とす
3.黒い粒があって、しばらくしてそれが赤茶色になったらそれは愛犬や愛猫の血を吸ったノミの糞。ノミが寄生している証拠

人間にも感染するので要注意!
皮膚病にかかっている犬や猫は かわいそうでも接触を避けること
愛犬や愛猫が皮膚病にかかっている場合は、抱っこしたり一緒に寝たりしないこと。ちょっとかわいそうですが、完治するまではなるべく接触をさけるようにしましょう。赤い発疹や激しいかゆみが出たら、ノミやダニが感染した可能性があるので、早めに皮膚科で治療を。
(「猫吉犬吉」2002.5月号)
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