-東京-
「猫吉犬吉」2002.1月号掲載
噴煙が収まらない三宅島
家族と離れ離れのペットを支える

「三宅島噴火災害動物救援センター」
飼い主と暮らせるその日を待つ
救援センターのペットたち

 三宅島の噴火から、全島避難命令が出されて1年と2カ月。村民に飼われていた犬や猫などペットたちは、急きょ、飼い主と一緒に海を渡り、竹芝桟橋にやって来ました。
 村民の多くの人たちは、一時避難として、都が用意した都営住宅などの住まいに暮らすことになりました。ところが、公営住宅の場合は、ペット飼育が禁止されているところがほとんど。
 ペットたちは、「東京都動物保護相談センター」と東京都内の動物病院に一時避難先として預けられることになりました。
 その後、三宅島の噴煙は収まることを知らず、〈一時的〉のはずの非難が、いつまで続くかわからない状況へと変化していきました。
 そこで、東京都の地域防災計画によって、3月29日、日野市に、東京都と東京都獣医師会、各動物愛護団体による「災害動物救援センター」が開設されました。
 災害当初は300頭あまりいたペットたちも、飼い主が、ひきとったり、新しい飼い主にひきとられたりして、今では動物病院に80頭、救護センターに30頭という状況になっています。
 施設は、自然あふれる日野市郊外にあり、一頭一頭に、広めの室内と室外犬舎、猫には3匹に1室のプレイルームも与えられています。
 多い時には一日30人近くの人ボランティアが、手弁当でペットたちの世話をし、東京都獣医師会の獣医師たちが、毎日当番で病気の治療や健康チェックをしています。
 「元気で暮らしてはいますが、やはり、飼い主と一緒に暮らすことが一番」と副センター長の長崎幸司さん。
 特に、犬はリーダーに従う習性があるので、リーダーである飼い主がいなくなって、精神的に不安定になっているといいます。
 「今、ここで、私をリーダーだと思ってしまうと、帰島したり飼い主と住めるようになった時に、また不安定になってしまうので、ある程度距離をおいて接しているんですよ」。
 もうすぐお正月。一日でも早く、飼い主とともに暮らせる日がくるよう祈りたい。


災害から時間がたつに連れ、 ボランティアスタッフや 義捐金も少なくなっています
ボランティアの募集、義捐金、一時里親、里親の問い合わせ先
三宅島噴火災害動物救援センター
〒191-0021 東京都日野市石田236
TEL&FAX/042−587−0546
E-mail/miyake-a-save@tama.or.jp
三宅島噴火災害 動物救援センターのホームページ
http://miyake-a-save. cool.ne.jp/
ボランティアの温かい愛が
センターのペットたちを支える

 玄関、犬舎、猫舎、作業小屋、事務所など、センターのありとあらゆるところに置かれた手作りの道具が置かれています。
 センターには、動物の世話だけでなく、さまざまな仕事があり、いろいろな人がそれぞれの仕事をしています。
 犬舎などの建物の補修をする人、インターネットなどでセンターの状況を告知したりボランティア募集を知らせる人、ボランティアの作業着を洗濯する人など……
 これまでにボランティアの登録をした人は600人あまり。スケジュールを調整して、センターにはいつも5〜20人ほどのスタッフがいます。(現在ボランティア募集中)
 ボランティアは日々顔ぶれが変わるために、猫と犬それぞれにチーフを決めていて、毎日の動物の様子や、個々の動物の状態など、大事な情報を、チーフに必ず知らせるようになっています。
 センターに来て手伝っているボランティアの人以外にも、いろいろな人がこのセンターを支えています。
 「一緒に暮らせない飼い主さんが、センターで余生を過ごすのはかわいそう、と所有権を手放され、里親を探していた高齢の犬がいたんです。高齢で里親が見つかるかと心配したのですが、すぐに里親が現れて今も幸せに暮らしています」と長崎さん。
 高齢犬だからこそ、我が家でのんびりと静かに過ごさせてあげたい、という申し出だったそうです。
 里親登録をする人や、義捐金を送付してくれる人など、さまざまな人のやさしさ、温かさに、同センターは支えられているのでした。
犬舎
センターで暮らす犬たち


 犬舎はセンターの1階。室内外はつながっています。室内の入口には、1頭づつの犬の性格や注意事項が掲示されています。ボランティアの人たちが、使いやすいように修理や改装を続けています。

コロちゃん(コロ姫)。一日2回ボランティアが散歩させてあげている

室内犬舎と室外犬舎がつながっている。室内犬舎は個別のドアから入れる

猫舎
センターで暮らす猫たち


 2階が猫舎。猫は個別のケージに飼われています。一部屋に3匹。部屋には、プレイルームがついていて、交替で遊ばせています。掃除がいき届いているので、臭いはまったくありません。

飼い主と暮らす日を待つモグタンくん。普段は1匹づつケージに入っている

ドアは二重になっていて1室に2から3匹の猫が暮らしている
(「猫吉犬吉」2002.1月号)
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