肉球書評室
 


■ゼンマイカムパニー

SHIGETO MIKI
神戸出身。「ゼンマイカムパニー」のほか、ヴァイオリン奏者としても活躍している。
HIROKO TAKAHAMA
神戸出身。雑貨のバイヤーを経て、現在画家として活躍中。個展多数。本の挿絵、雑誌のイラストなども手がける。東京都在住。
URL:http://www.ne.jp/asahi/zenmai/company/
 
 
 神戸の貿易商の家に生まれた高濱浩子さんの自宅には、かつて海外から届いたエアメールが大量に残っていた。海を渡ってきたたくさんの手紙。そこに貼られた切手を眺めているうち、高濱さんはふと「この切手をもう一度生き返らせてみたい」と思いつく。
 「ちょうど12 月で、クリスマスカードを作りました。でもひとりで作ることにすぐに飽きてしまって(笑)。もともと三木(重人)くんが描くラインがすごく好きだったので、一緒にやろうよって声をかけたんです」
 こうして1999年1月、高濱・三木のユニット『ゼンマイカムパニー』が誕生する。ふたりはどのようにして作品を作るのだろう。
 「まず、私(高濱)が古切手をポストカードに貼っていきます。それが100枚くらいたまったら思いつくままに色を付けていく。その束を三木くんにドン!と渡すんです」
 「そう。夏休みの宿題みたいに(笑)。僕はもともと色よりも消印とか文字とかに目が向くんです。古切手のそういう部分も、見てるとけっこう楽しいですよ」

 消印を押された切手と高濱さんが描く色、そして三木さんのライン。この3つが融合して、1枚のポストカードになるのだ。
 ゼンマイカムパニーとしてだけでなく、個人でも活躍しているふたり。ヴァイオリン奏者でもある三木さんは「演奏のほうにも力を入れたい。その土地その土地の楽器もいろいろ聴いてみたいですね」と言い、高濱さんは「絵画だけじゃなく、機会があれば何にでも挑戦したいです」と言う。ふたりの活動の場が広がるたびに、ゼンマイカムパニーの作品も進化を遂げていくのだろう。


宛名面に小さく手書きで入っているエディション・ナンバー。最初の1年間は付けていなかったが、その間に3000枚ほどが売れた。翌年から付け始めたナンバーはもうすぐ5000に達する。10000枚も目前!

(2001.11.08)