VOL.1 西洋医学に漢方医学を融合!「ミシナ動物病院」

東京都豊島区にある「ミシナ動物病院」の三科保先生は、西洋医学に漢方医学を併用させた診療を行い、漢方薬処方を実践している獣医師さんとして有名です。

いったいどんな診療を行っているのでしょうか? この道十数年の三科先生にじっくりお話を伺いました。

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まずはそのコの体質を把握する!


 
漢方医学の診断方法は、望診、聞診、問診、切診という「四診」から始まります。さらに切診には「脈診」と「腹診」とがあり、三科先生が主に取り入れているのはお腹の張り具合を診る「腹診」。腹筋の張り具合や腹力の強弱をチェックすることで、その動物のだいたいの体質や症状の進行具合が分かるんだとか。

「もちろん、データに基づいて治療法を見つける西洋医学の診断方法も大切です。でも、なんだかよくわからないけど具合が悪いって場合も最近は多くてね。まずはそのコの体質を把握していくことが先決かなと」

“僕の診療の出発点は、病名ではなく病人(動物)”と言い切る先生は、一匹一匹の体質を見極め、全体を治していくという漢方医学の概念に貫かれた診断方法を実践しています。そういった丁寧な診断のもとでこそ、応用範囲が広く、体質改善にも効果的な漢方薬処方が効果を発揮するのだとか。

「とはいっても、症例に応じて西洋薬との使い分けも行っています。要はそのコにとってベストな状態にもっていければいいわけですから、そこらへんは臨機応変に」

 

漢方医学と西洋医学を併用した診療で、丁寧に診察をしてくれる三科保先生。


そのコの飼育環境を把握する!

 

よく処方する漢方薬は約20種類ほど。西洋薬と一緒に棚にびっしり並んでいます。

 

 先生はまた、診療の際にはそのペットの置かれている飼育環境を把握するのがとても大切だとおっしゃいます。

「漢方医学の考え方って、基本的には“欠けているものを補う”ってことなんです。なにが欠けているかを見つけようと思ったら、まずは全体的なことを把握しないとわからない。全体的なことってのは、そのコがどういう環境で暮らしているかっていうことも入ってくるわけです」

 例えば咳が止まらないといってやってきたワンちゃんに、何を処方してもいっこうに治らない。飼い主さんによくよく話を聞いてみると・・・「同棲してる彼氏がヘビースモーカーだったなんてこともありましたよ。どうりで治らないわけだ。立ち入ったことを聞くのはもちろん抵抗感もありますが、でも聞かなきゃわかんないですからね」

 

 検査の数字ばかりを気にして診断をくだす獣医さんもいるなかで、一匹一匹と真剣に向き合ってくれる三科先生のやり方は、生活習慣病など複雑な病気が蔓延する現代にこそふさわしい診療のあり方のような気がしました。




ミシナ動物病院DATA

住所:〒171-0043東京都豊島区要町2-17-3
TEL:03-3972-7110
診療時間:
   平日9:00〜12:00 15:00〜19:00
   金・土・日曜9:00〜12:00
休診日:祭日、火曜日、土・日曜の午後


(2007/05/10)